ユネスコ無形文化遺産 / 唐津神社 秋季例大祭
漆黒に金、燃えるような朱。十四台の曳山が城下を駆け抜ける、唐津の三日間。
獅子・龍・兜・鯛・船――和紙を幾重にも貼り、漆を塗り重ねた巨大な漆芸品が、揃いの法被に身を固めた曳き子数百人の手で城下を巡ります。見逃せない四つの瞬間。
御旅所・西の浜の砂地へ。車輪がめり込む2〜3トンの曳山を、掛け声とともに渾身の力で曳き入れる、祭最大の見せ場。
初日の夜、提灯を灯した曳山が大手口を出発。闇に浮かぶ漆と金の輝きは、昼とはまるで別の幻想美。
3日早朝、神田地区の青年が雄獅子・雌獅子の舞を奉納。口元をカブカブ動かす所作が名の由来で、邪気を清祓います。
各家が客を招き馳走でもてなす唐津の心意気。主役は巨大魚「アラの姿煮」。家々を巡る饗応こそ醍醐味。
「くんち」とは九州北部で秋祭りを指す言葉。御神輿の渡御は江戸の寛文年間に始まり、やがて獅子や兜の曳山が生まれ、世界に認められる祭礼へと育ちました。
唐津神社の祭礼として御神輿が御旅所へ向かう神事が定着。曳山は、この御神輿にお供して神様を警護する目的で生まれました。
刀町の石崎嘉兵衛が伊勢参りの帰途、京都祇園祭の山鉾に着想を得て仲間と赤獅子を奉納。唐津曳山のすべての始まりです。
赤獅子から数えて57年、各町が競うように曳山を製作。最後の七宝丸まで、計15台が城下に揃いました。
宵山の巡行中、坂を下って柳堀へ転落。一台が失われ、以後この地の曳山は14台となりました。→ 幻の黒獅子
1958年の県重要有形民俗文化財指定に続き、「唐津くんちの曳山行事」が国の重要無形民俗文化財へ。
全国33件の「山・鉾・屋台行事」のひとつとして登録。唐津くんちは、世界が認める祭礼となりました。
毎年11月2日・3日・4日。佐賀県唐津市・唐津神社周辺で執り行われます。時刻は例年の目安です。
高さ7m余り、重さ2〜4トン。製作年代順に並ぶ十四台と、祭りの中心をなす三基の御神輿を、タップして詳しくご覧ください。
かつて唐津には、いまの十四台に加えてもう一台――紺屋町の「黒獅子」がありました。漆黒の獅子頭をもつその曳山は、明治の中頃まで城下を巡っていたと伝えられます。
明治22年(1889)10月28日の宵山。提灯飾りを終え夜更けに曳き出された黒獅子は、本町の坂を下る途中で梶を切り損ね、あっという間に柳堀へと転落。慌てた紺屋町の人々はそのまま堀に沈め、以来、黒獅子は姿を消したと語り継がれています。
その姿は唐津神祭行列図に描かれ、城下の地下道の壁画にも甦りました。そして平成24年(2012)、土曜夜市40周年を機に有志がクラフト紙で実物大の黒獅子を復元。幻は、いまも唐津の人々の夢の中を駆けています。
曳山の主役の影には、祭の中心である御神輿があります。十四台の曳山は、もともとこの御神輿を警護するために生まれました。

唐津神社は天平勝宝7年(755)創建と伝わる古社。住吉三神や水波能女神などを祀り、唐津っ子の産土神として篤い信仰を集めてきました。その秋の大祭こそが、唐津くんちです。
寛文年間に始まった御神輿の渡御に、各町が我が町の誇りとして曳山を連ね、行列を彩るようになりました。正午、西の浜で斎行される御旅所祭が、くんち最大の祭事です。
御旅所神幸では、唐津神社の二基の御神輿に大石大神社の神輿が加わり、曳山を従えて西の浜へと向かいます。
海上の安全を守る神。御神輿の渡御はこの一ノ宮に始まり、いまの唐津くんちの原型となりました。
唐津の地に縁深い祖神。一ノ宮とともに唐津神社の御神輿として、西の浜のお旅所へ渡ります。
城下町の北西に鎮座する古社で、元石町・水主町の氏神。御旅所神幸では、唐津神社の御神輿とともに神輿が巡幸し、祭りに加わります。
掛け声も囃子も、映像でこそ伝わる迫力があります。YouTubeチャンネル「Ainetmakoto . 曳山なび」より。
▲ スクロールして画面に入ると自動再生します(消音)。音声はプレーヤーの音量ボタンでオンにできます。

十四台すべてにGPS端末を設置。曳山の現在位置がリアルタイムにわかる、唐津くんち公認のナビゲーションアプリです。歴史・案内・コンビニやトイレの場所まで、祭をまるごとご案内します。
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記事を読む →渋谷センター街の大型ビジョンで、唐津くんちのダイジェスト動画を2年連続で放映。動画後半では曳山囃子とともに全14台を紹介しました。
記事を読む →14台すべてにGPSを搭載し、現在位置をリアルタイムに共有。進行方向の可視化や、AIによるナビゲーション機能を備えた最新版をご案内しました。
記事を読む →渋谷センター街の大型ビジョンに、唐津くんちの名場面を編んだ紹介動画を放映。YouTubeチャンネルでも公開しました。
記事を読む →渋谷の大型街頭ビジョンで唐津くんちの動画を放映し、祭りの魅力を首都圏へ発信した取り組みが紹介されました。※有料会員限定記事
記事を読む →人工知能・ディープラーニング技術を取り入れた唐津くんちのナビアプリ『曳山なび』として紹介されました。※有料会員限定記事
記事を読む →巡行する曳山の現在地をリアルタイムに伝える『曳山なび』の取り組みが紹介されました。※有料会員限定記事
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